キリンビールの『グランドキリン』という商品の
中吊り広告をデザインしました。
僕自身ビールは大好きで、クラフトビールのような深い味わいと香りがとても印象的です。
上から12月、11月、8月、それぞれ一週間の期間で都内の電車内にて
掲載されました。
いずれのポスターも商品写真が大きく出ていますが、
一枚目 (師走。 夜。 ひとり。 贅沢。)の写真は
少し特殊な撮影をしています。
普通の写真には被写体にピントが合っている部分があり、
その前後は写真特有のボケがありますが、
こちらの写真は別々にピントが合っているものを
デジタル処理でつないで作っている為、
瓶の手前にも奥にもちゃんとピントが合っています。
隅々までピントが合っている写真を
「全ピン」や「パンフォーカス」といった呼び方をしますが、
このような写真を撮る写真家に
アンドレアス・グルスキーという写真家がいます。
彼の作品も何枚も撮影した写真をデジタル処理でつないで
巨大な一枚の画像にするという技法で作成されています。
ちなみに彼の「RehinⅡ(ライン川 II)」という作品は、
この世の写真の中で史上最高額の430万ドル(4億3千万円)で
落札されたそうです。
時代が進むにつれて、このような広告写真の商品カットにも
デジタルの画像合成技術が必須となってきました。
僕もこの業界に入るまで一枚の写真にここまでの処理が施されているとは知りもしませんでしたが、広告の力強さやシズル感はこのような技術によって作り出されているんだなと実感できました。
CD・コピーライターは前田 知巳さん(FUTURE TEXT)、
ADは細川剛さん(博報堂)、
カメラマンは児島 孝宏さん(博報堂プロダクツ)、
レタッチャーは波多野 明さん(博報堂プロダクツ)です。
ウメムラ